ニュースにすべき、あなたのそんな今日

Blue あなたとわたしの本 203 耳を疑うような悲惨な ニュースが 続けざまに聞かれることもあるでしょう。 でも 今日、 あなたは誰かに やさしくした。 やさしさとは 思いやることです。 思いやるとは、 想像力を働かせることです。 今日あなたは 想像力を…

小説「記憶のたわむれ」⑦ 完結

話は──終わったのだ。 なんと言えばいいのかわからなかった。知らないうちに僕も右の手の甲で意味もなく口もとをこすっていることに気づいた。膝の上に手のひらを戻した。藤堂さんは同じ姿勢のまま、動かなかった。 「つまり──」と僕はひそめた声で言った。…

小説「記憶のたわむれ」⑥

「翌日の──京都を離れる日──俺はもういちどおばちゃんの店に立ち寄ることにした。好きだった蕎麦ぼうろを持ってな。フリーのライターというのはうそで、児童劇団の営業をやっていることなんかもちゃんと話そうと思った。本当にやりたい仕事を、いまも模索し…

小説「記憶のたわむれ」⑤

店の正面まで来た。もう迷いはなかった。俺は硝子の引き戸に指をかけ、その覚えのある重みを──ゆっくりと横へすべらした。 甘い菓子の匂いとともに、クレヨンをぶちまけた色彩が魚眼レンズを覗いたみたいに目に飛び込んできた。なにもかもが変わってなかった…

小説「記憶のたわむれ」④

まぁ、待て。もちろんこれで終わりじゃない。ちゃんとつづきはある。東京に出てきてその五年後──つまり俺が二十三歳のときのことだ」 藤堂さんは缶ビールに唇をつけ、残りを飲みほした。 「俺はそのとき、ぬいぐるみ劇団のチケットを小学校に売り歩く仕事を…

小説「記憶のたわむれ」③

そんなある日──俺たちのクラスに転校生が来た。四年生になったばかりの春のことだ。 なんでも父親が有名なインテリア・デザイナーとかで、かなりの金持ちらしかった。背も高くってな(そのころの俺はどちらかっていうと小柄だったんだよ)、勉強もよくできた…

小説「記憶のたわむれ」②

藤堂さんも一人暮らしだった。僕の部屋とはちがいよく片付いていた。照明は意図的に落とされていた。フローリングされた小ぎれいなワンルームだったが、暖房器具は電熱棒が赤く灯るタイプのヒーターしかなく、少し寒かったのを覚えている。壁ぎわにパイプで…

小説「記憶のたわむれ」①

窓から差し込む秋の陽射しが小説原稿を染めている。常緑樹を通して届くその光は、ゆれ動く模様を作っている。楕円形の光斑こうはんが三角の影にまじわり、たわむれ、離れてはまた重なり、いつしかひとつの光となって判別もつかなくなる。 新作の二十回目の書…

真理? ─あるいは自分自身への喝─

Blue あなたとわたしの本 202 「なんであんな 馬鹿なことに 挑戦してしまったんだろう?」 なんて、 この世を去る間ぎわに 悩む人間なんて いないってことだよ。 その 〝逆は〟 多いだろうけどね。 そう、 挑戦しなかったことを 悔やむ人間は。 それこそ─…

インフルエンザにかかったことがない僕が実践している思考法

エッセイ Blue 23 「格が違う」とはっきり自覚するということです。 せっかくクリックしてこの記事を開いてくださったわけですから、あなたにもこの自覚を持って帰っていただきたいと切に願っています。 奴らが毎年やっていることとはなんでしょう? 人に…

自由自在のすすめ ─感じるために生きるんだ─

Blue あなたとわたしの本 201 感じるために 生きるんだと 思ってごらん。 するとそこに 〝失敗〟なんて ないことに 気づくから。 何かをやれば なんらかの結果が出るよ。 そして何かを 感じるはずだ。 感じるために 何かをやって、 結果、何かを 感じたわ…

小説「YES」⑧ 完結

十七歳の夏、そんな体験をしました。もちろんこれは私の人生にとって、とてつもなく大きな意味をもつ出来事でした。それまで抱いていた厭世観えんせいかんのようなものが百八十度変わってしまったのです。吹き飛んでしまいました。 そうです。同い年である彼…

小説「YES」⑦

シートの上に、シャツやスラックスが畳んで置かれていました。その横に紺色の水着もありました。 彼女は何も身に付けず、生まれたままの姿で水のなかを泳いでいました。 対岸の岸壁がやたらと奥まったところにありました。信じられない広さを持った淵でした…

小説「YES」⑥

翌週はもう新学期が始まりました。 私は日曜日が来るのを待ちわびて、また上流まで行ってみたんです。でも、何度行っても彼女には会えませんでした。もう学校が始まっているんですものね。 ── 十六歳の、私の夏はそれで終わったのです。 そして十七回目の夏…

小説「YES」⑤

またあお向けになりました。雲がゆっくりとかたちを変えながら移動しています。私はずいぶんとリラックスしてきて、より自然体で話せるようになっていました。女の子の声も親密さが増してくるように感じられます。私は、「どうしてこの場所にいるとこんなに…




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