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「シン・ゴジラ」それは庵野総監督の意図ではない?

エッセイ 映画

エッセイ Blue 4

 

 

「シン・ゴジラ」、噂通り面白かったのでレビューを書いたのですが、それは破棄し、いまこの原稿を書いています。

 僕が言いたいのは〝こっちの方〟だなと気づいたからです。一言で言えば、こういうことです。

 

映画であれ小説であれ、作品とは作者の意図を読み解く試験問題ではない。

 

 ということです。

 作者の目論見が絶対的な〝正解〟で、それと違った解釈は〝間違っている〟といったものではないのです。

 いちど書き上げたレビューを削除し、なぜまたこの文章を書いているかをもう少し詳しく言うと、「庵野秀明はそんなことを考えていない」だの「それは庵野総監督の意図ではない」みたいなやり取りをネット上で見聞きしたからです。

 僕は首をひねりました。

 ピュアに感動している人たちを馬鹿にするような発言すらあり、憤りも覚えました。

 もしあなたが「シン・ゴジラ」を観て、勇気をもらったとしたら、あなたの感じかたに自信を持ってください。

 もしあなたが「シン・ゴジラ」を観て、ゴジラを自然災害や原発事故のメタファーとしてではなく、「ゴジラは私だ。怒りと哀しみで暴れまわっている私だ」と仮に思ったとしたら、その感じかたにも自信を持ってください。

「そうじゃないよ、庵野監督は── 」などと誰かに言われる筋合いはないということです。

 庵野さんの思惑だけが大事なのではないのです。

〝あなた〟が感じたことが大事なのです。あなたの感じかたを、大切になさってください。

 同じ映画を観ても、同じ本を読んでも、何年後かのあなたの感じかたは違うかもしれませんね。その時 その時の── その季節 その季節の── あなたの感じかたを尊重してください。そのつど、それが〝正解〟なんです。

 僕は、そう思っています。

 

 

 

 えっ? 僕が最初に書いた「シン・ゴジラ」のレビューも読んでみたかったって? そうですか。そう言ってもらえるのは嬉しいなぁ。けっこう長文を書いたので── じゃあ、ひとつだけ。

 映画の終わり近くで、竹野内豊さん演じる内閣総理大臣補佐官、赤坂が言う言葉、

「スクラップ & ビルドでこの国はやってきた。今度も立ち直れる」

 このセリフのところで、僕はスクリーンが涙で滲みました。勇気をもらいました。

「庵野がそんなストレートな映画を作るわけねぇだろ。バカじゃねぇのか」みたいに言う人もいるでしょう。そう感じた人はそれでいいのです。その人は、この映画の真意はもっとアイロニカルなものだと思ったわけですからね。その感性を尊重します。

 僕は、赤坂のセリフに心を打たれ、涙したということです。そんな僕自身のことも僕はもちろん尊重します。そのセリフでスクリーンが滲んでしまう僕自身が好きです。

 あなたもあなたの感性、感じかたに自信を持ち、好きでいてあげてくださいね。僕は純粋な心を持ち続けているあなたが大好きです。

「Blue あなたとわたしの本」は、いつだってそういう人たちのそばにありますから── 。

 

 

 

 

 脚本と編集と総監督を担当された庵野秀明さん、かかわられたすべての皆さま── 楽しく、豊かな2時間を過ごしました。ありがとうございました。

 

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