Blue あなたとわたしの本 248
いつも文章のことを考えている。
朝、目覚めると、文章のことを考えだす。
文章が書けるから、ベッドから出ようかと思う。
日中も文章のことを考えている。
夜、ベッドの中でも文章のことを考え、
眠りの中でも、文章の新しい技術・表現を思いつくことを願う。
日本語、というのは、まだ完成されていない言語です。
ひらがな・カタカナ・漢字の組み合わせの効果。思想としての句読点。係り受けのさらなる探求。文末のバリエーション。過去・現在・未来、時制の移動。リズム、スピードのコントロール。人称のポシビリティー。無窮文体。
無限の、とてつもない可能性が残されてる。
それらを、追い求めたい。
言葉をさわらせてもらえること。
言葉をつつめること。
言葉をそっと移動させられること。
言語を尊重し、
言語に感謝し、
言語を楽しめること。
文章のことを考え、
言葉をつづれることが嬉しい。
文章作品の新作をまだ生み出せることが、
それをあなたに読んでもらえることが、とても嬉しい。
文章が〝なまくら〟にならないように、
食べるものに気をつける。
お酒やタバコは口にしない。
よく歩く。
筋力トレーニングも怠らない。
瞑想する。
ここがいったいどこなのかはわからない。
ここがなぜ存在しているのかもわからない。
ここが本当に存在しているのかどうかもわからない。
ただ、自分が文章というものに強く惹かれることは、
わかる。
ならば、その気持ちを信じるしかない。
その気持ちに、正直に生きていくしかない。
その気持ちで、立ち向かうしかない。
文章のために生かさせてもらい、
文章のために死なせてもらう。
文章。文章。文章。
いつか文章の中で、
僕は存在することになる。
僕は文章になる。
文章が僕になる。
いつか文章になるその日まで、
この世界で言葉をつむげることが嬉しい。
生まれてきてよかったなと思う。
あなたと本の中で出逢えたこと。
この世界で出逢えたこと。
あなたに読んでもらえたこと、
あなたと心と心を重ね合わせることができたこと、それが、
嬉しい。
すべての文章に命が宿り、
すべてのページが光り輝いている、そんな、
奇跡の書物を僕は残したい。
いつか文章になるその日まで、
なにがあろうとも、
どんな時代になろうとも、
どれほどの闇が眼前に立ち込めようとも、
この世界で、
文芸に精励したいと思う。
生きていきたいと思う。
今を生きたいと思う。