推敲時のチェックポイント 2018 最新版

Blue あなたとわたしの本 216

  当記事は私自身のために記している「私家版」ですが、どなたかの一助となれば幸いです。

 

  

   
   推敲するときのチェックポイント 

      (小説的な技術も若干含まれています) 

  

◯ 一つひとつの文は短いか? 長めの文章を使うときは意図的に。文章の長短はすべて理由がなければならない。(長い文はイコール〝分かりにくい〟ではない。ではないが、長いが分かりやすい文章を書こうとなると、技術的な難易度は確実に上がる。意図がないのなら、引き締まった短文を心がけるのがやはりベターだろう)

◯ 心地よいリズムが生まれているか? 文章は一文字増えただけで、あるいは減っただけでリズムが変わってしまう。手直ししたら冒頭から読みなおし、流れを整えよう。

◯ 紙面にビジュアル的な美しさがあるか?

◯ 主語と述語が離れすぎていて、意味をつかみにくい文章はないか? 修飾語と被修飾語も同様。分かりづらい文章はこれらが離れている場合が多い。

◯ 主語がなくても成立するのが日本語。不必要な主語ははぶかれているか? 取り除けるがゆえに、主語と述語がかみ合っていない〝ねじれ〟も起こりやすいので注意。主語と述語だけをつなげてみて、おかしくないかチェックしよう。

◯ 同じ言葉をすぐ近くで使っていないか? 類語に置き換えられないか?

◯ 語尾が「です」「ます」、あるいは「る」「た」「だ」、ばかりになっていないか? バリエーションをつけられないか? アクションシーンなどは例外。「た」「た」「た」で迫力が出ることもある。

◯ 体言止めを乱用してはいないか? 体言止めは臭みが出たり、嫌味な感じになるのがほとんど。ただ文末のバリエーションの一つではある。使うときは慎重に、最小限に。これもアクションシーンは例外。

◯ 「また」「そして」「というのも」「だから」など接続詞を使いすぎて文章のスピードが落ちていないか? (接続詞の大半は削れる)

◯ 逆に、スピード感がありすぎて軽くなってはいないか? 

◯ 「たちまち」「やや」「決して」「確かに」など、副詞を乱用してはいないか?

◯ 「少し」「ちょっと」「何かしら」「何か」「何となく」「何だか」「絶対」「まったく」「やっぱり」「これ」「この」「それ」「その」「あれ」「あの」「それから」「まるで」も、はぶけるのではないのか?

◯ に、に、が、が、は、は、などが一文のなかで重なりすぎていないか? (同じ助詞は二つまでに抑えたい)

◯ 「が」という助詞は逆説でも何でもないときでも、が、が、が、と繋げられるだけに要注意。逆説以外は最小限の使用にとどめているか?

◯ 語句の列挙時、「と」「や」などの助詞を挟み込みすぎると幼稚な文章になりやすい。「と」「や」は最初のみ置こう。(今週は、月曜日と火曜日と木曜日と土曜日にブログを更新予定です → 今週は、月曜日と火曜日、木曜日、土曜日にブログを更新予定です)

◯ 形容詞や修飾語が名詞の先に来ていないか? 名詞の後に形容詞の順にできないか? そのほうが分かりやすくはないか? (とても美しい京都の街 → 京都の街はとても美しい)

◯ 修飾語の多すぎる文章は冗長さにつながり、幼い印象を与えやすい。

◯ 名詞には送り仮名がつかないが、動詞の連用形の場合、送り仮名がつく。正しく表記されているか確認しよう。  名詞 世にも奇妙な  動詞 あなたからお話しください

  あとに続く語句に〝その意味〟が含まれているにもかかわらず、つい言葉を重ねてしまうことがあるもの。語句の重複はないか確認し、不必要な言葉ははぶこう。 ● いちばん最初 ● 深く熟考する ● 激しい熱戦 ● 非常に熱望する ● 握った拳 の類。

◯ 「その友人の発言が私を驚かせた」、英文法のような日本語を書いてはいないか? 「友人の発言に驚いた」でいいのではないのか? 「驚いた」も描写で表せないか? 

◯ 「私はコンサートに行くことができるでしょう」、英文法的。「私はコンサートに行くでしょう」で充分。「こと」「もの」は無意識に使いがち。削れることが多い。

◯ 誤字脱字はないか?

◯ 流行語を使ってはいないか? (あっという間に古くなる)

◯ 記号を使いすぎてはいないか? (ちなみに「!」や「?」のあとも文章を続けるときは一文字あけるのがルール)

◯ 少しでも〝あやしい〟と思われる言葉は辞書を引いて意味を確認しているか?

◯ その単語が本当にベストなのか?

◯ 句読点は本当にそこでいいのか?

◯ 段落はそれでいいのか?

◯ 構成はそれがベストなのか?

◯ 説明ではなく、描写できないか? 

◯ 形容詞の代わりに具体的な描写で表現できないか? 「ものすごい爆発音でした」を「ガラス窓が揺れるほどの爆発音でした」などに。

◯ 描写は五感を刺激するものとなっているか? 視覚のみの描写にかたよってはいないか? 音は? 匂いは? 感触は? 味は? 第六感ではどう感じる?

◯ 書き手には何かしら強く惹かれる「シンボル」的なものがあるもの。雨の都会に魅力を感じる人がいたり、夕日に惹かれる人、夏の入道雲、井戸、草原、列車に惹かれる人もいる。そういった自らの「シンボル」を発見し、作中に込めることによって、創作物が生き生きとしてくる。「シンボル」を把握しよう。  

◯ 説明でいいところを、くどくどと描写してはいないか?

◯ 不必要なことを書いてはいないか? 必要なことは書かれているか? 

◯ あってもなくてもいいものは、ないほうがいい。

◯ 当たりまえのことを書いてはいないか?

◯ 冷静に書かれているか? 血は通っているか?

◯ 原稿は数日間、寝かせたか? もっと寝かせてから手を加えたほうがいいのではないか? 

◯ 読まずにはいられない冒頭になっているか?

◯ 余韻の残る結びの一文となっているか?

◯ 原稿に緩急があるか? タメを作ったり、スパートをかけたりしているか?  

◯ もっと削れないか? もっとシンプルにならないか? 

◯ 総体としての作品をより豊かにするために、膨らませたほうがよい箇所はないか?

◯ 独自の表現はあるか? 

◯ 健全な自負心と読者を尊重する想いを忘れてはいないか?

◯ そのときそのとき持ちうる力の全てを注ぎ込んでいるか?

◯ 「楽しい」という気持ちを忘れてはいないか? 文章を書ける喜びに手を合わせているか?

◯ 特定の人を傷つけてしまう可能性のある差別用語を使ってはいないか?

 

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 この記事には私自身の見解も多く含まれていますが、学んできた主な書籍を参考文献として載せておきます。最後までお読みくださり、感謝いたします。ありがとうございました。

【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)

文章を書くこころ―思いを上手に伝えるために (PHP文庫)

文章の書き方 (岩波新書)

新版 文章を書く技術

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング できるビジネスシリーズ

ワセダ大学小説教室 天気の好い日は小説を書こう (集英社文庫)

 言葉の箱 小説を書くということ (中公文庫)

 

 

 

 

 

 

 








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