Blue あなたとわたしの本 218
「夢」をみるのが好きです。
「夢」、って夜みる夢ね。
夢の中って、なんだか
体もないような感じじゃないですか?
あるようなないような。
年齢もなさそうで。
性別もあるんだかないんだか。
自分、ってものも曖昧で、
他人の意識の中に入っちゃったりもするし、
過去に戻ったり、
未来へ飛んだり、
宇宙空間を漂ってたこともありますよ。
あれは気持ちよかったなぁ。
地球が青く小さく見えててさ。
あとはどこを見渡しても暗黒。
ゴォうぅん、みたいな
音が響いてた。
宇宙に、
一人ぼっちで浮かんでた。
月や太陽はどこ行っちゃったんだろうね?
── ちょっと怖かったけど、
安らいだな。
「夢」って、死と似ているのかなぁ?
死が「夢」みたいだったら悪くないかもね。
悪夢はヤダけどさ。
まだまだ死ぬ気もないけどね。
うん、夜みる夢は好きだな。
ずっと見てたいくらい。
だからかもね、
目覚めても
小説を読んだり
音楽を聴いたり、
映画を観たり、
文章を書いたりするのは。
「夢」が好きだから。
ずっと見ていたいから。
「現実」なんてものより、
ずっと肌が合うんだよなぁ。
でも──
還るまではね、
ここでがんばるけどね。
自他を
たおやかな目で見ながら。
もちろん、
楽しい! を優先してさ。
できるだけ「現実」を、
「夢」みたいな色に染めてやろうと思ってるよ。