エッセイ Blue 28
イノシシの子どものことを「うり坊」って言うって知ってましたぁ? 僕は最近、知ったんです。度肝を抜かれました。 う、うり坊? どこの誰がネーミングしたん? みたいな。なんで「うり坊」なん? どういう意味なん? って。
とにかく頭の中を「うり坊」が走り回りました。
近所の掲示板に貼ってあったんです。イノシシに出会ったら次のことに注意しましょうみたいな紙が。
石を投げたり、棒を振り上げたりして、イノシシを興奮させてはいけません。
せーへんがな、そんなこと。
イノシシが逆上して向かってくることがあります。
人間でも向かってくるやろ、そりゃ。
うり坊を見かけても近づいてはいけません。
ここで「うり坊」が出てきたんですよ。
うり坊(イノシシの子ども)を見かけても、近くに逆上した母イノシシがいるので、追いかけてはいけません。
なんで最初から母イノシシが〝逆上〟しているのかよく理解できなかったんです。近くで見守っているのは分かりますよ。 追いかけたり石を投げたりしたら近くにいる母親が逆上しますからやめましょう、ってことを言いたい文章だったんでしょうね、たぶん。 時間軸が乱れてしまったのかもしれません。
うり坊がかわいいからといって、食べ物を与えたりしないでください。人への警戒心を低下させ、人が食べ物の供給源だと学習させることにつながります。
それはそうやわな。しょっちゅう人里に来るようになったら、処分しよう、と考える人間も出てくるだろうし。双方の不幸に行き着きそう。
「うり坊」かぁ。「うり坊」ねぇ。でもそんな逆上した母親をともなった怖いもんなんやったらもっと「ブリヴォー」とか恐ろしげネーミングにしておいてもらわないと、「うり坊 ♡」なんて名前を付けてもらったら、「どうした? うり坊、こっちおいで、うり坊」って抱き上げてしまいそうになりますやんねぇ。それで、「よーし、よしよし! よーし、よしよし!」ってムツゴロウさん状態で撫でさすりたくなりますよ。そしたら逆上した母親が出てきて背後から突き転ばされたらえらいことでっせ。
まぁ、そういうわけで、皆さまも「うり坊」を見かけても決して追いかけたり抱き上げたりしちゃダメよ! という話です。近くの草むらに母親が身を潜めておりますからね。最初から逆上しているかどうかは ── 知らんよ (#^.^#) 。
なんで「うり坊」って言うか調べてみたら、体のシマ模様が「うり(瓜)」に似ているからだって。けっこうラフなネーミング (#^.^#) 。
こんなのもある。こりゃかわいい (*´v`*) 💓 。
(もし本当にイノシシと出会われたら、背中を見せないようにして、静かにその場を離れるのが良いそうです。人間も、野生の動物も、心穏やかに暮らせるといいですね。そう願います)