生きる意味とは自他に優しくなることだと思う

Blue あなたとわたしの本 221

 

 

 生きる意味とは自他に優しくなることだと思う。

 華もなく、インパクトもない言い回しだけど、そう思う。

 ここ10年、20年、この定義から動いていないような気もする。僕のなかでね。

 

 優しさってなんなのだろう?

 思いやりのことだと思う。

 そして思いやりって何かって考えると、

 想像力だと感じるんだ。

 信じられないような事件とかが起こって、

「なんであんな酷いことが人間にできるんだ?」って、みんな思うじゃない。

 なんでできるかって言うと、けっきょく想像力が働かないからですよ。

 どれだけつらいか、苦しいか、悲しいかがわからない。そういう人にはね。人に酷いことができる人間には。

 他者の痛みが、きっと想像できないんです。

 だから、優しさや思いやりの発端には

 想像力があると思うよ。

 その想像力の精度を高めること、

 深めることが、

 生きる意味なんじゃないかと思う。

 

 そして、

 だってやっぱり人は、

 優しい人を求めてるしさ。

 焦がれるほどに。

 優しい人を探してるんだよ。

 僕だってもちろんそうです。

 優しい人と出逢いたい。

 あなただってそうでしょ?

 

 思いやり深い、

 とびきり優しい人間になることが、

 美しい季節みたいな優しい人間に移り変わっていくことが、

 生きる意味なんじゃないかなぁ。


 甘っちょろい定義だと顔をしかめた人もいるかもしれない。

 でも、ここ数十年、動かないんです。

 もっとカッコいい、

 ハッ、とするフレーズをかましたいんだけどね。

 この定義から動かない。本心を言えば。

 

 あと──

 この先ちょっとややこしい話になるんだけど── 

 今回のタイトルは、「生きる意味とは〝自他に〟優しくなることだと思う」だからね。

他者に〟じゃないよ。

「生きる意味とは〝他者に〟優しくなることだと思う」じゃない。

 人に優しくすることは当然、大事さ。だけど、

 優しすぎる人っていうのはさ、

 ただでさえ自分のことを後回しに考えちゃうんだよ。

 それはでも違うよ。

 あなたがまっ先に大切にしなきゃいけないのは

 あなた自身だよ。

 人もいじめちゃいけないけど、

 自分もいじめちゃいけないの。

 それに自分自身へのいじめは、なかなか気づけない。

「わたしが耐えればすむんだから」って発想にすぐ行っちゃうの、優しい人は。

 愚痴もこぼさない。

 ため息も飲み込む。

 そして、微笑んでる。

 ── がんばる。がんばり続ける。

 度を越せば、自分への虐待だよ、それ。

 優しすぎるあなたが、切ないけどさ。

 

 吐き気を覚えたり、

 夜、眠れなくなったり、

 ある朝、掛け布団を跳ねのける力も、とうとう残されていないことに気づく── 。

 そうなってからでは遅いんだって。

 遅くはないけど── 回復までにずいぶんと時間がかかっちゃう。

 

 だから、

 何より、

 自分自身を労わろう。

 慈しもう。

 そのために、

 自分自身の「取り扱い説明書」をよく読むんだ。

 しっかりと読んでください。

 あなたのことが

 全部そこに書いてあるから。

 あなたといた時間は、あなた自身がいちばん長いんだから。

 知ってるはずなんだ。すでに読んでいるはずなんです。

 でも、その「説明文」のそこかしこを

 短所だと、

 弱点だと、

 解釈してた可能性は、ある。

 それらは表裏一体で、 実は、

 あなたの長所だったんだぜ。

 

「取り扱い説明書」に書かれていることを優先するの。

 世間はこうしています、みんなはこうしています、は関係ない。

「社会人になったら5、6時間も睡眠時間を確保できたらありがたいと思え」って言われた人がいるんだよ。

 5、6時間と言わず、睡眠時間1、2時間で365日がんばれる方はどうぞがんばってください。

 だけどそれを人に押し付けるなって。

 また鵜呑みにするなって。

 8時間眠らないと機能しない人もいるんです。

 プラス昼寝を30分しなくちゃ 一日 持たない人だっているんです。

「取り扱い説明書」にそう書いてあるんだから。

「夜は8時間、もしくは9時間寝かせてください。昼も30分、眠らせるのが理想的でしょう」って。

 だったらそれに従うの。

「直射日光に弱い」って説明書に書いてあるお花にさ、

「なんでお前はさんさんと太陽を浴びないんだ!」って言ってもしょうがないべ? そういう種類なんだから。

 多肉植物の「リトープス」なんて夏季は水やりを控え、冬にたっぷりお水をやらなきゃいけないんだよ?

「普通は夏にお水をたっぷりだろ!」って言ったってしょうがないじゃん。そういう種類なんだから。

 

 あなたも、あなたが持って生まれた

 その特性を尊重しよう。

 8時間でも9時間でも眠ればいいじゃない。昼寝もすればいいじゃない。

 一人になりたいときは一人になればいい。

 僕なんか人と会ったあとは、その倍くらいの時間、静かな暗いところでじっとしてますよ。神経を休めるために。

「人と長時間過ごしたあとは静かな暗いところで神経を休ませましょう」って説明書に書いてあるんだもん。 あぁ、そうなのね、でいいんだよ。そういう種類なのね、って。

 あと、人と会ってもうまく話せる人間ではないです、僕は。 文章を書いたほうがずっとしゃべれます。だから文を書いてる。そうしたら幸せになりました。

 うまくしゃべれない人が〈生誕祭を兼ねた大講演会〉を日本武道館で開く必要はないんだって。

「わたしはなんでこうなんだ!」って、短所として、あなたも説明書を読み違えないように。

 必然・必要・ベストな個性、なんだからさ。

 

 あなたはあなたの特性を活かせる仕事を探せばいい。必ずあるから。

「睡眠時間5時間でみんなはやってるんだからわたしもやらなきゃ!」って考えないことです。

 無理なものは無理なんだから。

 その代わり

 そういう人はね、

 覚醒してるときはそんじょそこらの人とは比べものにならないくらい

〝覚醒〟してるんです。

 そういうことが往々にしてあるの。

 30分、昼寝でもさせたら恐ろしいほどよ。

「30分、昼寝させたら恐ろしいです」ってあなたの説明書に書いてあるんだから。

〝覚醒のレベル〟が違うんだって。

 世間のほとんどの人なんて

 半分眠ったような意識のクオリティで過ごしてるんだよ。

 それゆえ、勤め続けられてる、とも言えるんだけどね。ここだけの話。

 

 だから、

 わたしってスゴいんだ、って思ってください。

 そういう人にしかできない〝作業〟っていうものがあるんです。

〝仕事〟があるの。

 だからコンプレックスにしないでね。

 あなたの〝長所〟なんだよ。

 

 自分の特性に、

 得意なことに、

「好き!」に、

 屈しよう。

 そうすれば── 

 毎日が変わってくるから。

 明るさを取り戻せる。

「でも、好きなことで生活が成り立つんでしょうか?」

「億万長者になれるでしょうか?」

 って、極端なことをすぐ考えないの! 

 対極から対極へと一気に飛びやがって。

 

 まずは生活の中に組み込んでください、

「好き」、なことを。

 そして「好き」を増やしていこう。

 その割合を増やしていくの。

 光の点を打つようにさ。

 そうすれば、

 点、だったものが線になってく。

 光の線に変わってく。

 いつか面となり、

 立体となり、

 光の中に包まれてるあなたがいますよ。

「好き」、でできた居心地のよい小部屋に、

 毎日に、

 あなたを置いてあげよう。それが、

 自分を大切にする、ってことだと思うよ。

 

 感受性が豊かなあなたのままで、生きていける。

 繊細で、

 ピュアなあなたのままで、

 ちゃんと生き続けていける。

 そしてそういうあなたが、

 そのままのあなたが、

 大好きだ、っていう人が

 必ずいるんだぜ。

 

 自分の特性にそむかないこと。

 となりの人の道を歩かないこと。

 なぜかしら惹かれ続けるそのことに、

 柔らかな笑みとともに降参すること。

 自分の内側から聞こえてくる

 光をともなった声に従い、

 結果にこだわりすぎず、

 あなただけの道を、

 一歩、また一歩、

 面白く歩もう。

 

 そうすれば、

 温かなものが溢れ出し、

 他者の特性も、

 愛おしい目で見られる。

 うん、うん、って

 心の中でうなずいてるあなたがいる。

 人に優しくするのは── 

 それからでもいいでしょ?

 

 生きる意味とは、自他に優しくなること。

 それ以上に素敵なことって、たぶんない。

「人間」としての成功もない。

 

 そう、

 優しい人になろう。

 まっ先に自分を大切にし、

 自分さえ良ければいい、でもなく、

 寛容な目で他者を見、

 争うことなく、

 憎むことなく、

 恨むことなく、

 嫉妬することもない。

 あなたとわたしがそんな成熟した人間になれば、

 この世界も優しく成熟した場所に変わってく。

 必ず、変わってく。

 

 もっともっと、

「優しさ」に成れるといいね。

「優しさ」があなただといい。

「優しさ」がわたしだといい。

 まだまだ全然、僕は優しい人間じゃないんだけど、

 想像力を深めたいと、

 思いやり深い人になりたいと、

 優しい人になりたいと、

 それが生きる意味なんだと、

 

 そう思える、

 自分が今います。

 

f:id:btomotomo:20190322135458j:plain

 

 

 

 

 

 








にほんブログ村 ポエムブログ 写真詩へ
にほんブログ村




写真詩ランキング






「Blue あなたとわたしの本」は毎日更新から不定期更新に切り替わりました。読者登録をご検討いただければ幸いです。ブックマーク、ツイッター、フェイスブック等でのシェアも大歓迎です。いつもありがとうございます。