命は誰かに食べてもらい、その滋養となりたいのかもしれない。

Blue あなたとわたしの本 212

 

 

 庭の畑でミニトマトを育てているのですが、よく実りました。ザルにいっぱい取り、水道水で洗い、ボウルに移します。冷蔵庫で冷やしてからいただくと、とてもおいしい。ミニトマトの表面はほどよく硬く、噛むとぱきゅ、と砕けます。甘さと酸っぱさがきれいに混じり合う。もぎたてのまま口に入れると、太陽の暖かさがそのまま感じられ、これはこれで頰がゆるみます。「豊かだなぁ」と声がもれます。「幸せだなぁ」と。── 豊かさ・幸せって、そんなに難しいものでもなく、意外と簡単に手に入るものなのかもしれませんね。

 ミニトマトって、ふつうのトマトよりもカロテンやビタミンC がむしろ豊富だそうですよ。鉄・カリウム・亜鉛などのミネラル分も上回っているそうです。リコピンの含有量も多いそうですね。ちっちゃいのにスゴいなぁ。(「食の医学館」参照 )

 

 先日、ふとこんなことも思いました。もし、これらの実ったトマトに僕が気づかず、腐り、地面に果実が落ちたとしたら── 。誰にも気づかれず、食べられることもなく、地面に全て落ちてしまったとしたら。── それはやはり、トマトは残念だろうなぁ、と。

 

 僕も今この文章を書いていますが、誰に読まれることもなく、ネットの海に消えてしまうとしたら、 やっぱりそれは、哀しいです。どなたかが読んでくれると信じるから、初稿をノートに書き、紙の上や画面で推敲するのでしょう。

 

 ひょっとしたら、全ての命という命は、誰かに食べてもらいたいのかもしれない。「美味しい」と思ってもらい、その滋養となりたいのかもしれない。潜在的に、そういった願望があるのではないでしょうか。強くは意識しなくとも、無意識のうちに。

 誰にも気づいてもらえず、地面に落ちてしまうのは無念です。あなたもそうではないですか。

 

 自分と違うものにならなくてもいいから、僕は僕が実る素直な僕を実らせたい。あの人はあの人が実るあの人を実らせればいい。そしてあなたはあなたが実るべき、素直なあなたという果実を実らせればいい。そう、思います。

 そうすれば誰かが、「美味しい」と思ってくれるはずです。「ありがとう」って手を合わせてくれます。ほかの誰かの果実の色、形、味 を ── うらやむ必要はないのです。

 

 
 素直な自分を実らせ、命は誰かに食べてもらい、その滋養となりたいのかもしれない。それ以上に豊かで、幸せなこともまたないのかもしれない。よく晴れた夏の庭で、ふとそんなことを思いました。

 
 実るがままに実った、ちっちゃいけどスゴい、ミニトマトを頰ばりながら。

 

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