計り知れない
悲しみに沈んだ人間には、
言葉など届かない。
何の役にも立たない。
言葉が力を持つのは、
まだ先のことだ。
傷ついた者たちが、
自発的に手をのばせるようになり、
そこに言葉があったとする。
その者たちの心を、
ささやかでも癒せるよう、
言葉をつむぐ我々は、
我々自身の純度を、
高めるしかない。
涙で洗われた人間の澄んだ目は、
偽りなど簡単に見透かしてしまうだろう。
薄汚れた我々の魂を、
それでも真実を宿した我々の魂を、
磨くことだ。
磨きつづけることだ。
具体的で現実的な行動、
そして恒常的な魂の研磨。
このふたつを同時に行うこと。
私たちに出来るのは、
それだけのように思う。