「この世界はほとんどが噓でできているんだ」、あなたが叫んだ夜、僕は眠れなかったよ。なぜならそれは真実だから。でも、あなたはこの言葉もはさんだんだ。〝ほとんどが〟って言葉を── 。

Blue あなたとわたしの本 152

 

 

「この世界はほとんどが噓でできているんだ」

 あなたが叫んだ夜、僕は眠れなかったよ。

 なぜならそれは真実だから。でも、

 あなたはこの言葉も はさんだんだ。

〝ほとんどが〟って言葉を── 。

 

〝ほとんどが〟って言葉を、

 無意識に、

 あなたは はさんだんだよ。そこに

 あなたの祈りみたいなものを感じるんだ。

 

 あなたは

「もうこんな世界は嫌だ」とも叫んだ。

 そう、

〝嘘でできたこんな世界〟

 が嫌なんだよ。

〝噓でない世界〟

 を求めてるんだよ。

 

 そしてこの世界のなかには、

 噓でないものも

 あると、

 感じてるんだよ。

 

 僕も

〝本当のこと〟が

 好きだよ。

 美しいもの、

 純粋なものに、

 恋い焦がれてるんだ。

 

 そういうもののなかで

 生きて、

 そういうもののなかで

 死ねたらな、って思うよ。

 

 あなたが誕生日を迎え、

「前向きに生きていきたい」って言ったとき、

 うれしかった。

 

 もちろん、

 その言葉のなかにも、少しの

 噓は混じっていたんだろうね。

 

 それでいいんだよ。

 

 言葉っていうのは

 そういうものだから。

 噓がぜったいに、

 混じってしまうものだから。

 

 それでも

 あなたの

 生まれた日が、

 僕はうれしかった。

 前向きな言葉が、

 すごくうれしかった。

 

 理屈じゃないんだよなぁ。

 

 つながってる部分って、やっぱり

 あるんだよ。

 なんの意味もなく、

 なんのためでもなく、

 自他の幸せを祈るときって、

 あるでしょ?

 

 薄汚れた僕のなかにも、

 とびっきり

 美しい部分が、

 やっぱり

 あるんだよ。

 

「この世界はほとんどか噓でできている」

 たしかにそうだろう。

「こんな世界はもう嫌だ」

 たしかにそうだろう。

 

 僕たちになにができるんだろうね。

 こんな世界を、

 ほんの少しでも、

 よくできないのかなぁ。

 

 あなたがもっと

 幸せを

 感じられないのかなぁ。

 僕がもっと

 幸せを

 感じられないのかなぁ。

 

 僕の言葉も、

 あなたはすべて

 嘘に

 感じるのかなぁ。

 

 僕たちって、

 そんなにも

 非力なのかなぁ。

 

 こんな世界に、

 ほとんどが噓な

 こんな世界に、

 ただ もてあそばれるだけなのかなぁ。

 

 ねぇ、

 僕たちって、

 そんなにも

 非力なのかなぁ。

 

 この世界を、

 少しでも、

 よくできないのかなぁ。

 

 この世界を─── 。

 

 

 

「この世界はほとんどが嘘でできているんだ」

 あなたが叫んだ夜、僕は眠れなかったよ。

 なぜならそれは真実だから。でも、

 あなたはこの言葉も はさんだんだ。

 

〝ほとんどが〟って言葉を── 。

 

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