Blue あなたとわたしの本 67
マラソンランナーたちが街なかを走っている。
どうしてだろう?
一人ひとりが眩しく見える。
スポットライトでも当たっているみたいに。
沿道から声援を送っている人たちも活気はあるけれど、
ランナーたちのように輝いては見えない。
──そうなんだよな、と思う。
彼らは、
ランナーたちは、
本当にいま、
舞台に上がっているんだ。
彼らは傷つくかもしれない。
勝てないかもしれない。
だけど、
挑戦することを選んだんだ。
自転車にまたがったまま、
声を出すでもなく、
対岸から見ているだけの僕は、
その全身をすっぽりと陰につつまれていることだろう。
いや、卑下するのはよそう。
悪いクセだ。
僕は僕のマラソンを走ればいい。
あなたはあなたの舞台に上がればいい。
苦しくて顔が歪んだとしても、
転んでしまったとしても、
挑戦する人間の姿は、
きっと誰かのモチベーションとなり、
いまも
眩しく輝いて見えているはずなのだ。